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執筆者の写真アルノ

人材不足という建設業界最大の課題

2024.01.04

建設業界は人手不足だ。

 

スーパーゼネコンから職人さんまで、軒並み人手不足である。

 

日本社会全体の話ともいえるが、その中でも建設業界は突出して顕著だ。

 

なぜ人材不足なのか、どう対策をしていくべきなのか考えてみた。

 

 

年代別の人員格差

全体的に人手不足なのはその通りなのだが、50代60代は大勢いる。

 

しかし、この年代はもうすぐ引退してしまう年代である。

 

また20代も少ないとは言え、そこそこいる。

 

しかし、この年代はまだまだ力不足の年代だ。

 

肝心な、中間層が圧倒的に少ない。

 

特に35歳から45歳がほとんどいない。

 

なぜか?

 

この世代は就職氷河期世代なのだ。

 

あらゆる企業が、新卒採用を控えていた。

 

2003年には大卒就職率は55%となり、なんと大卒の半数近くが就職できなかったのだ。

 

さらにその後2009年にはリーマンショックの影響で再び就職率が低迷してしまった。

 

その結果、今の中堅層の年代がごっそりおらず、社員構成のアンバランス化を招いているのである。

 

現状を踏まえての喫緊の課題は、50代60代がいなくなる前に20代を育てなければならないという、なかなかのハードミッションだ。

 

 

人材のレベル

若い世代は少ないとは言えそこそこいる、と前述した。

 

しかし、少子化により、絶対数は確実に減っている。

 

その影響でスーパーゼネコンは以前なら有名大学から新卒採用していたのが、そのすそ野を中堅大学まで広げている。

 

中堅ゼネコンは当然、それ以上にすそ野を広げざるをえなくなっている。

 

その結果、ゼネコン各社の実力はだんだん落ちて行っているのが最近の現状だ。

 

それでも人を確保できればまだいい方だ。

 

人自体が集まらない中小企業も数多くあり、数年、社員を増やしていないという会社もめずらしくない。

 

 

 

人材不足の波

そして、既に人材不足の影響が大きく出始めている。

 

多くの大手サブコンでは、代理人がいない、職人さんがいない等の理由により、2年後3年後までの工事受注を控えている。

 

その影響でゼネコンが中、小規模の工事を受注できない状況がここ数年続いているのだ。

 

この現象は今後増えていくだろう。

 

事業計画はあるのに、工事ができないという現象は確実にGDPに悪い影響を及ぼし、日本経済にも大きな影響があるだろう。

 

 

一人一人を大切に育てる

人がいない中、これからの人材育成はどうするべきだろうか。

 

人がいた時代は極端なことを言えば、パワハラまがいなことをして辞めていっても、残った社員で業務を行えばよかった。

 

しかしこれからはパワハラまがいなことをすれば、コンプライアンス的に問題だし、辞めていかれたら誰もいなくなってしまう。

 

そうならない様、貴重な一人一人の人材を大切に育てていかねばならない。

 

決して、辞めないように腫物に触るように育てていくというのではない。

 

一人一人に関わって、教育を業務の中心にすえて育てるのだ。

 

言うは易しだが、それを行いスピード感を持って育てなければ、50代60代がいなくなる前に一人前に育たなくなってしまう。

 

勝手に育つのを待っていては遅いのだ。

 

 

少子高齢化人口減少の時代、人材の確保は企業の生命線である。

 

今考えると、就職氷河期の人材があまりにももったいない。

 

おそらくニートが多いであろうその世代が建設業界で働いてくれればいいのだろうが、そうもいかない。

外国人労働者を増やすには賛否ある。

 

このまま日本社会は、本気で人口減少問題に臨まないと、若者が将来に希望が持てない国となってしまう、いや既にそうなりつつある。

 

 

 

 

 

 

この記事はこの人が書いています。

  

施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。

 

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