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執筆者の写真アルノ

今はやりのBIMってなに?3Dキャドとはどう違うの?

2025.1.4

建設業界に携わる人ならBIMという言葉を一度は聞いたことがあるだろう。

 

BIMは建設業界におけるDXともいえるシステムだ。

 

しかしBIMの正確な意味を知っている人は実は少ない。

 

BIMがツールでなくシステムであることすら知らない人も多いだろう。

 

今回は、BIMとはどういうものか、3Dキャドと何が違うのか、BIMの将来などについて述べていく。

 

 

3Dキャドとは

今はやりの3Dキャド。

 

設備のサブコンなどではTfasという3Dキャドソフトが広く普及している。

 

3Dキャドは文字通り、2次元のキャドを3次元にしたものだ。

 

2次元だと分かりにくい図面も3次元だとイメージしやすく、配管などの納まり検討をするにも非常に便利である。

 

しかし、それはBIMとは決定的に異なる。

 

いったいなにが異なるのだろうか。

 

 

BIMとは何か

BIMとはいったい何なのだろうか。

 

3Dキャドとの決定的な違いは属性を入れることである。

 

例えば、BIM上のサッシ部分には、大きさ、ガラスの種類、厚さなどの属性を入力されている。

 

配管であれば、材質、径、長さ、保温種類、保温厚などの属性を入力されている。

 

機器にはメーカー、品番、仕様、などの詳細な属性が入力されているのだ。

 

その属性が入力された3次元図面を最大限に活用するシステムがBIMなのだ。

 

そう、そもそもBIMとはシステムなのである。

 

調査、測量、設計段階で属性が入力された3D図面(設計図)を作成する。

 

そのデータを用いて、自動で積算をする。

 

属性が入力されているので、BIM積算ソフトを使用すれば自動で積算ができるのだ。

 

施工においては、設計BIMデータをそのまま使用し、より詳細な施工レベルの施工BIMを作成し、納まり検討、干渉の検討を行う。

 

躯体と配管の納まりや配管とラックの干渉チェックなどは3Dキャド同様、自動で行える。

 

竣工後にはその属性データを活用し、機器、部位ごとのメンテナンス計画を行う。

 

メンテナンス履歴、更新履歴もBIMデータに属性入力し、長期修繕計画もBIMデータを活用することにより予算取りも含め行えるのだ。

 

そのデータは建物の解体まで活用できる。

 

BIMは、建物を作るときだけのものではなく、調査・設計から、建物解体まで使用できるものなのだ。

 

 

BIMが普及しない理由

このように夢のようなシステムだが、実はなかなか普及していない。

 

その一番の問題点は、設計BIMの作成の手間があまりにも大きすぎることだろう。

 

本来なら、設計BIMができあがれば、それを利用し施工BIMとして使えるのだが、それがなかなかタイムリーにいかない。

 

例えば本来なら、建築設計BIMを設備施工BIMで使いたいのだが、現実は、建築設計BIMは情報量が多いので作っている間にそこまで情報を必要としない設備電気は大まかな躯体を自分で描いてしまっている状況だ。

 

この期間のズレを解消できれば設計BIMから設備施工BIMへの連続性が完成するのだが、このハードルがなかなか大きい。

 

特に属性を入力する労力がかなり大きいというのが現実だ。

 

 

BIMの活用方法

それらの課題が解決すれば、BIMには様々な活用方法が生まれる。

 

例えば、照明器具の属性に配光を紐づければ照明シミュレーションや自然光シミュレーションができるようになる

 

空調機に冷暖能力や風量等属性を紐づければ気流や温度シミュレーションができるようになる、まさに建設業界のDXだ。

 

 

設備と電気の導入格差

一方、サブコンのBIM導入状況は設備系に比べ電気系はいまいちだ。

 

BIMは設備工事に関しては配管やダクトの干渉チェックに威力を発揮するが、電気は干渉で悩むのはラックくらいだからだ。

 

しかし時流としてBIMが進んでいくことを考えれば、ゼネコンの発注条件に「BIMの導入」と含まれることも考えられる、いや実際にそういうゼネコンもすでにあるらしい。

 

そういう意味では、電気系サブコンもいち早く導入した方が営業的にも有利となっていくだろう。

 

 

BIMの将来

実は海外ではBIMは大きく普及しており、日本の建設業界はBIM後進国と言われている。

 

国を挙げて推進しているアメリカでは、大規模建築事務所は100%導入さていると言われ、それによりコスト削減、工期削減、安全性向上を実現しているという。

 

シンガポールでは、確認申請にBIMを義務づけられており、なんと国土全体をBIMデータ化する「バーチャルシンガポール計画」が進められているという。

 

日本もいち早く、国を挙げてBIMの普及を推進するべきだ。

 

 

BIMと3Dキャドの違いは分かったであろうか。

 

BIMを知ると建設業界の未来が大きく開けていくような気すら感じるのではないだろうか。

 

BIMを使用することで、建設業界において一方先をいくことを可能にする。

 

 

 

 


 

この記事はこの人が書いています。

  

施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。

 

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