2022.08.06
工事現場で働く人は大きく分けて職人さんと現場監督に分けることができる。
その両者の違いは言うまでもなく、実際に工事を行う職人さんと工事を管理する現場監督という働く内容の違いである。
それも違いの一つだがもう一つの違いによって両者には働く意識に大きな違いがある。
そしてその違いにより職人さんの方が働くということに対する意識が高い場合が多い。
なぜ、そうなるのか。
今回はその違いに言及し、現場監督の働く意識に対し警鐘を鳴らしたい。
職人さんと現場監督の給与形態の違い
職人さんと現場監督のもう一つの違い、それは給与形態の違いである。
職人さんは1日分給与に対し、その月に何日働いたかでその月の給与が支払われる。
例えば1日の給与が一万円だとして25日働いたら25万円もらえる。
雨や大型連休などで、働く日が20日だとしたらその月は20万円だ。
つまりその月の働く日数に応じて給与が変動する、これがいわゆる日給月給という給与形態だ。
それに対し現場監督はサラリーマンだ。
働こうが、有給休暇を取ろうがひと月の給与は変わらない。
さらに残業すればブラック企業でない限りは残業代が上乗せされる。
このような違いがある。
この違いにより両者の働く意識がどのように異なってくるのであろうか。
職人さんの働く意識
職人さんは親方とその部下数人がチームになって動くことが多い。
部下の職人さんは親方に仕切られながら一生懸命に働く。
チームがそのまま会社の場合もあるから仕事をサボろうものならクビに直結する。
また働く日が少ないと給与が減るから土曜日も働きたがる職人さんも多い。
それが良いか悪いかはともかくその結果、一生懸命働く職人さんが比較的多くなるという形態だ。
また親方については、経営者もしくはそれに近い意識を持っている。
会社としては工事全体でいくらというように現場ごとに請負うことが多い。
従って、一日でも早く終わらせるとそれだけ職人さんに支払う給与も少なく抑えられるし、次の現場の仕事に移る事ができる。
その為、親方の頭の中には常に効率化の意識にある。
現場監督の働く意識
一方、現場監督はどうだろうか。
前述したように現場監督はサラリーマンだ。
言い換えると、一生懸命働こうが、サボろうが給与は変わらない。
するとどうなるか。
一生懸命働いたり、効率化を意識したりとはなりにくく、更に残業が多くなる。
自分の現場を見てみれば、10時や15時の職人さんの休憩時間に一緒に休んだり、17時に職人さんの仕事が終わると、いつまでも職人さんと雑談したりしている現場監督をよく見かけるのではないだろうか。
彼らは口をそろえて「職人さんとのコミュニケーションは大切だ」という。
それに対して否定はしないが限度があるだろう。
強者となると、前日飲みすぎて、現場の誰もいない場所で寝たりする。
こうなると効率化のこの字もない状況だ。
現場監督の意識改革具
この両者を端的に表現すると、
現場監督は、給与はもらうものと思っている。
一方、
職人さんは、給与は稼ぐものと思っている。
現場監督にもぜひ、この給与は稼ぐものという意識をもってもらいたい。
本来、仕事は成果を挙げてこそ給与を貰えるものだ。
どれだけ多くの成果を挙げることができるか。
この意識にたって効率化を考えたならば、昼間に現場を無駄に長時間巡回することもなくなり、昼間から時間をこじ開け、書類作成、図面作成を行うだろう。
つまりいかに残業をなくすかを意識して働くはずだ。
その結果、労働時間は減り、心身とも健康になり、より効率化を図れるようになるだろう。
多くの人が給与より心身の健康こそ大切と思うはずに違いない。
現場監督がサボっているとは言わない。
しかし、無駄な時間をなくそうと意識しているか、仕事の効率化を常に意識しているかという点では努力不足の人が多いのではないだろうか。
キーワードは「給料はもらうものではなく稼ぐもの」である。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工管理技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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