2021.03.06
ゼネコンに勤めてつくづく思うのだが、人は自分以外の他者を評価したがるし、評価しなくてはならない場合がある。
同様に自分で自分を評価し、長所を伸ばし、短所を克服する事が大切なのであろうが、そちらはなかなかむずかしいものだ。
今回は、「評価する」という事について言及したい。
ゼネコンはサブコンを評価する
ゼネコンは、サブコン(協力会社)にお金を支払って、工事をお願いする。
当然いい仕事、いい対応、いい代理人派遣をしてくれると「優秀なサブコンだ」という事になり、「次も仕事をお願いしよう」という思考になる。
そのようにして取引が増えていき信頼関係ができると、大きい仕事や難しい仕事をお願いするようになる。
サブコンを選定する時に重視するのは、「会社の大きさ」と「営業の人柄」「現場代理人のレベル」等だ。
「会社の大きさ」は、より大きな工事を発注する時に会社組織として責任をもって対応してもらう為の重要なポイントだ。
「営業の人柄」は、そのサブコンが誠実に対応してもらえるかどうかを判断する時の重要な要素となる会社の顔だ。
大変な工事も営業担当が、会社を説得して工事をがんばってくれると、「あの大変な時にがんばってくれた」という評価になり、大切に付き合っていこうという事になる。
そして一番大切なのは、「現場代理人のレベル」だ。
大きな会社でも現場代理人のレベルが低いとゼネコンは「ウチの会社をナメている」という受け取り方をするし、小さな会社でもエース級の現場代理人がくると「この会社は信用できる」という判断になる。
かといって、そのようなエースは各サブコンに、そう多くはいないだろう。
営業、現場代理人から分かる様にサブコンを評価する上で大切なのは「会社の大きさ」よりも「人」だという事になる。
サブコンはゼネコンを評価している
同様にサブコンもゼネコンを評価しているであろう。
はじめてのゼネコンと取引する時は、小さな仕事、金額的に厳しい仕事でも多少無理をしてでも受注し、実績をつくり付き合いを広げようとする。
しかし、取引を重ねてもなかなか利益がでないようだと、見切りをつける場合もあるのではないだろうか。
大変な工事をムリしてがんばっても、評価されなかったり、パワハラ所長やスットコドッコイ現場担当者の現場ばかりだったりすると、あの人の現場は請負いたくないという事になるだろう。
特に大きなサブコンは小さなゼネコンから仕事を請けた時にはほとんど自社のエース級を代理人にする事はない。
ゼネコン社員は、サブコン等の各協力会社に評価されているという自覚を持ち、信頼を勝ち取る努力をせねばならない。
上司は部下を評価する
このような関係は、会社内の上司と部下でも言える。
一般的に上司は部下を評価する。
部下の仕事ぶりを会社の基準に照らして評価をする事を会社に求められる事はどの会社でも行っているであろう。
そして、会社に求められる評価とは別に、個人的な印象をいうものもあるであろう。
「あいつに任せれば大丈夫」「あいつ一人では心配だ」といったたぐいの評価がそれにあたる。
この様に、上司から部下への評価は会社から求められる評価と自身の評価と2種類ある。
部下は上司を評価している
実際は部下も上司を評価している。
部下の上司に対する評価を会社が求める事はまずないと思うが、上司にとってこの評価ほど、恐ろしいものはない。
「部長に言えば何とかしてくれる」「あのパワハラ所長には近づきたくない」「あの人は挨拶しても何も言わない」等。
そういった類の評価は、部下同士で酒のつまみにもなりがちだ。
いい年をして仕事ができなかったり、尊敬されない人格だったり、仕事をさぼっている等、これらの要求は切りがないといっても過言ではない。
上司が部下に求めるレベルより、部下が上司に求めるレベルの方が、圧倒的に高い事を上司は理解しなければならない。
上司諸君は、部下に評価されても恥ずかしくなく胸を張れる振る舞いを心がけていきたい。
人は他人を評価する生き物なのかもしれない。
しかし、冒頭でも触れたが、大切なのは人を評価する事より、自分を評価する事だ。
昨日の自分より今日の自分が成長しているか、少なくとも去年の自分より今年の自分の方が成長しているかどうかを検証し、そこに注力していける人間になりたいものだ。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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