2020.07.29
ゼネコンはお金を持っているからえらい?
ゼネコン社員は偉そうにしている人が多い。
その理由は建築現場の施工体制が元請のゼネコンから、1次請けのさまざまな専門工事会社に工事を発注され、その先は、2次請け、3次請けへ次々と発注されるという、まさにピラミッド型の請負体制を形成しており、その頂点がゼネコンだからであろう。
つまり、ゼネコンは建築現場の全てのお金を握っており、全てのお金はゼネコンから流れていくのだ。
日本には「お客様は神様」という風潮がある。
その風潮の悪い側面が全面にでているのが建築現場のゼネコン社員と言えるかもしれない。
つまり建築現場ではゼネコンは「キングオブお客様」なわけで、それで勘違いするヤカラがでてくるのだ。
そもそも自分はお客様だから偉いというのはクレーマーの発想だ。
そんなヤカラはろくな人間ではないので、表面上の関係にすませるに限る。
このブログを読んでいるゼネコン社員の方がいるならば、ぜひ専門工事業者に対して建物を一緒に建てる大切なパートナーととらえる様にしてもらいたい。
バイト雇うにもゴミ捨てにも何をするにもお金がかかる
ゼネコン1年目の時、仕事が忙しくてイライラしていた先輩が発狂まがいに現場で言い放った言葉がある。
「この世はカネや!建物を建てるのもカネ!ゴミを捨てるのもカネ!何をするにもカネがかかるんぢゃぁ!」
今思えばたしかにその通りで的を得ている。
また、こんな言葉もある。
「金が全てではないが、全てに金がかかる」
建築現場においては、手戻りがあったり、常用工事があったりと予定外の工事が発生すると予定していないお金がかかるので、そこはゼネコンの工事計画、工事管理の腕の見せどころとなる。
そして追加工事のお金はもらえない
建築現場の頂点ゼネコンにもピンチが訪れる。
例えば、施工した追加工事のお金を施主が払わない場合だ。
なぜそんな理不尽な事が起こるのか。
工事をやらせといてお金を払わないのは詐欺ではないか。
そう思うかもしれない。
その時によって状況や理由は様々だが、たとえばこういう場合がある。
建築工事には必ず設計者が作成した設計図があるが、その最初に特記仕様書というページがある。
そこには必ずと言っていいほど「工事を完成させる為に当然必要な材料・作業は設計図に記載がない場合でも本工事に含む」というような文言があり、設計のミスをゼネコンに押し付けられるようにしているのだ。
まぁ、それにも限度があるが。
追加工事のお金をもらえないゼネコンは専門工事業者にお金を払わない、もしくは支払いを極力抑える様になる。
この場合、現場の雰囲気はケンケンガクガクとなる。
専門工事業者の中には、急に対応が悪くなったりもする。
こうなってしまう建築現場は不幸である。
お金に関する理想の建築現場は、ゼネコンが健全な発注をし、専門工事業者をパートナーととらえ、工事が段取り良く計画、管理され、追加工事分も適切に支払われる、という事になろうか。
その上で、各社に儲けがでれば素晴らしい。
今日もそういう現場を目指し仕事をしよう。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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